VIVEコントローラーのトラックパッドを修理する

サマリ

VIVEコントローラー(※『VIVE Wand』といいます)のトラックパッドがグラグラしたり、押し込みが効きづらくなったり、押し込めなくなってVRChat等で移動できなくなったものを修理します。

VIVEコントローラーは古いですが、まだ使っている方や、予備として不調なものを残している方が低コストで修理するための記事です。
多分簡単です。

2年以上前にTwitterに投稿したものをまとめなおしたものです。

多くの手順で紹介されている、ボタンを押し込む部分のゴムをかさ増しする方法ではなく、トラックパッドの土台のゴムをなんとかする方法で修理します。
大まかには分解してテープを張って組み直すだけです。
真ん中のボタン押し込み部分がなくなったりズレたりしている場合は、両方の修理方法を併用することが推奨されます。

必要工具

  • T5トルクスドライバー

 最も必要です。必ず用意してください。
 奥まったT5ネジを外す部分があります。
 精密ドライバーセットの中に入っているビットでは届かない場合がありますので、単体のT5ドライバーを推奨します。
私が使っているT5ドライバーはこちら

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  • 0番ドライバー

 必要ですが、普通は持っているでしょう。

  • ピンセット

 必須ではないですが、あったほうが良いでしょう。
 適当な分解用工具セットに入っていたものです。

  • ヘラ?オープナー?ピック?

 写真の青いやつです。分解時にケースを開ける際に使用します。
 必要ですが、別に同じものである必要はありません。
 適当な分解用工具セットに入っていたもので、たまたま手元にあったから使っているだけです。
 黒でも黄色でも棒型でもピック型でもなんでも良いと思います。

  • ネジを入れる容器

 なんでも良いです

分解手順

① コントローラー本体を裏返し、上部のリングの裏に止まっているT5トルクスネジを3本外します。
このうち1本にはシールが貼られていますので、ピンセット等を用いて除去すると良いでしょう。

② 図の矢印部分に分解用のヘラを入れて、トラッキング用のリング状の部分の上半分を持ち上げてはずします。
上側がカバーとして乗っかっている形のため、メニューボタン上の切れ目の部分で外れるようになります。

③ このように外れます。ボタンがある部分の爪を最初に外すことは困難なため、一周ぐるっと回りながら爪をはずしていきましょう。

④ プラスドライバーで赤丸のネジを3本はずします。
このネジは抜かなくてもなんとか分解自体は出来ますが、抜くことでリングの構造が動く遊びが生まれて、次の手順が圧倒的に簡単になります。

⑤ Aの部分(根本の両側)左右から中央向きに指でつまむように力を入れて、しならせながら、
Bの部分を上から下に押し下げます。

⑥ すると、このようにリングの下半分が外れます。

⑦ ④で外した3本のプラスネジのうち1本を、リングがこれ以上勝手にバラバラにならないようにするために仮止めとして刺しなおしてある程度ねじ込んでおきます。

⑧ 次は下半分の分解です。
裏返して、赤丸部分のトルクスネジを5本外します。

⑨ 次も上半分が外れます。
ヘラを矢印部分に差し込んで、分割線に沿って動かしながら少しずつ剥がし、爪をすべて外します。
内部でフレキケーブルが繋がっているため、強引に引き剥がさないように注意します。

⑩ トラックパッド部分が剥がれたら、ピンセットを使ったり使わなかったりしながら、3本のフレキケーブルを赤丸のコネクタから外します。
ラッチとかは有りません。引っ張って抜くだけです。

⑪ ケーブルが抜けたら、トラックパッド自体を取り外します。
赤丸の4本のトルクスネジ(銀)を外し、トラックパッドのパーツだけにします。

トラックパッド修理に必要な分解はここまでになります。

修理

トラックパッドを取り外し、表面の土台部分を見てください。

このピンセットで指している部分です。
トラックパッドはここで表面のカバーに接しており、トラックパッドを押し込んだあとの戻りを受け止めるゴムです。

多くのVIVEコントローラーは、長期間の使用でここのゴムが摩耗して、写真の通りゴムに型がついたり、最悪はちぎれてゆるくなっています。
このゴムを交換、またはかさ増し、補強などすることで、トラックパッドのガタつきがなくなり、押し込みが困難になる不具合も解消することが多いです。

この形状に高耐久のゴムシートを切り、接着性の高い薄手の両面テープで貼り付けるのが正攻法です。

が、薄いとガタつきが大きく、厚いとキツすぎて常時トラックパッドが押し込まれた(ボタン押しっぱなし)状態になります。
そのため、

⑫ 私は状態によって日東のアセテートテープを様子を見ながら2~3枚重ね貼りして、裏側に巻き込んでから余った部分をハサミで切ることで、クッションのゴムのかわりにしています。

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このテープである必要はないと思いますので、お好みの柔軟性・耐久性があるテープをご使用ください。
ビニールテープは絶対にやめましょう。粘着が弱くネチャネチャになったりズレたりする可能性が高いです。

⑬ テープ貼付け後を裏から見ると、こんな感じです。
これぐらい大雑把に貼っても問題ありません。
この通り、この個体はボタン押し込み部分の中央のゴムは、それほど摩耗していないことがわかると思います。

トラックパッドの修理は以上です。
あとはここまでの手順の逆に組み立てるだけです。

・トラックパッドをネジ4本で取り付け、
・3本のフレキケーブルを差し込み、
・トラックパッド側のカバーを適当に押し込んで嵌め、
・裏側から5本のトルクスネジを締め、
・⑦で仮締めしたネジを一度外し、
・リングの下側カバーを根本からはめ、
・上から3本の+ネジを締め、
・リングの上側カバーをはめ、
・裏側から3本のトルクスネジを締めるだけです。

組み立て途中で必ず、トラックパッドの押し込みが正常にガタつき少なく、押し込み出来ることを確認してください。
テープの枚数や状態によっては押し込みっぱなしになっていることが多いです。
増やしたり減らしたりの調整が必要です。

追加メンテナンス

せっかくバラしたならば、一緒に追加のメンテナンスをすることが出来ます。

・トリガーがギコギコする場合のグリスアップ
・わずかな軽量化
の2点です。

⑭ 赤丸の部分の+ネジを6本はずして、黒いカバーに入っているバッテリーを取り外します。
うち図で左側のネジ2本は小さいので注意しましょう。上から貼ってあるポリイミドテープはピンセットで剥がします。
その下にバッテリーのコネクタがあるので、抜きます。

⑮ 赤枠の3箇所のフレキケーブルをはずします。
ポリイミドテープは剥がしてその辺に貼っておきます。
すべてラッチがあるので、ヘラやピンセットで破壊しないように慎重に起こしましょう。

⑯ ※分解時の写真を撮っていなかったため、バッテリーがついている状態に戻っていますが、外す部分のネジの解説です。
赤丸の4本のトルクスネジをはずします。

これで、基板がケースからはずれます。

⑰ 基板を取り外したあとがこちらです。

トリガをグリスアップするには、Aの4本のトルクスネジをはずします。
トリガは中にバネが入っているため、少し慎重にはずしてください。

コントローラーを軽量化するには、ここでBのネジを2本はずし、鉄の塊をはずします。
これは重心調整のためのウェイトなので、これを取り外しても特に何も起こりません。
重心がリングに近くなってバランスが若干悪化しますが、ビートセイバー等の激しいゲームをする場合には少しでも軽くしたいという方もいます。
マウスの重さと同じで好み次第です。

⑱ トリガーを取り外した状態がこちら。
矢印の台座部分や軸部分を掃除し、グリスアップすることで、握り込み時の不快感がなくなります。

その下のグリップボタンは押し込むとまるごと内側に外れますので、一緒に掃除しても良いかもしれません。

メンテナンスは以上です。あとは元通り組み付け、動作確認をしましょう。

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