割れた液晶(ONKYO LW21TW-01)を修理する。

既に液晶ディスプレイなんて何枚も持っていますが、
ついうっかり、割れた液晶モニタを一枚入手してしまいました。

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ONKYO の LA21TW-01 です。

21.5インチのフルHD液晶で、グレアパネル、D-sub15+DVI+HDMIというオーソドックスな構成。

ONKYOのPC部門といえば元SOTECですが、
ONKYOクオリティ?みたいな触れ込みの内蔵スピーカーを持つ機種です。

それではサクッと修理していきましょう。

(※当たり前ですが、割れた液晶モニタを直す方法をお探しの方には全く参考になりません。)

まず、サクッと足とスピーカーをはずします。

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そしていきなり脱線して、せっかく外したのでスピーカーユニットも開けてみます。
本体とは4線のコネクタで繋がっており、邪魔なら取り外すことも可能です。

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中身はこんな感じですね。
まあサイズと値段なりですが、よく考えられた構造になっているところがONKYOです。
しかし線が細くてちゃっちいのが残念ですね。

コネクタから伸びた線は直接ドライバにつながってるだけなので、
ここのケーブルをすげ替えれば別のアンプから直接引くことも可能ですし、別の用途にも使えるでしょう。
そこまでする価値は特に感じられませんけどね。

さて本題に戻ります。

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足を外した後は特にネジも無いので、いつもどおり大胆かつダイナミックに割っていきます。

使うものはマイナスドライバー一本です。

私みたいな大雑把な人間には、開腹痕を残さず丁寧に開けるなんて真似できるはずもないですが、
痕を最初に一箇所だけに留めることぐらいはできるようになりました。
まあ慣れですね。これだけ何枚も割ってりゃね。

ベゼルを外して一番最初に目に飛び込んできたのがコレ。

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端っこにある、見慣れたAUOの刻印。
見た瞬間に 「この勝負、私の勝ちだ」 と確信。

あとはテンポよくバラバラにします。

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今回はパネルさえ外れればオッケー。

注目すべきポイントは、バックライトのケーブル。
そう、2009年の機種なのでLEDバックライトではなく、4CCFLなんですよ。
それを狙ってこれを入手してきました。

パネル詳細

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AUOの M215HW01 V.1ですね。

軽く補足しておくと、AUO (= AU Optronics )は、世界三大液晶パネルメーカーの一つで、
もともとAcerのUnipacの液晶部門同士が合併してでき、
後にQuanta Displayを飲み込んで成長した会社で、現在BenQの子会社です。

当然ですがBenQの液晶のパネルは全部AUO製ですが、
それ以外にもかなり多くのPC用モニタやノートPCがAUO製パネルだったり、
ソニーのブラビアの32インチ以下?ぐらい用のパネルも供給している、ほぼ最強のシェアを持つ液晶メーカーです。

ちなみに世界三大パネルメーカーの残り2社は、SAMSUNG と Chi-Mei Innolux(鴻海≒FOXCONNの子会社)です。

ではサクッとなおしましょう。

とりあえず、うちにあるパネル在庫から似たようなパネルを一個引っ張り出してきます。(お

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あ、ちなみにここがオチですよ。

なんでそんな都合よくパネルの在庫あるねん?って話ですが、実際は逆で、
このパネルの在庫がもったいないから、割れたディスプレイを入手してきたってことですね。

ちなみに在庫にあったパネルの型番がこちら。

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AUOのM215HW01 V.0です。

なんと奇跡的に同じパネル!! なーんて、実際そんな奇跡って程じゃないんですよ。
この世代の安い21.5インチフルHD液晶の確実に何割かに入ってる、ほぼ汎用部品みたいな奴ですからね。

厳密には同じパネルではなく、型番の後ろのV.1がV.0の部分が違います。
多分リビジョンだとは思うんですけど、ノングレアのパネルです。

まあ割れてるほうがグレアパネルなので、パネル自体を解体して表面だけすげ替えればグレアパネルにできますけどね。
今回はしません。好みの問題で。

このパネルを、ばらした手順と逆にサクッと組みます。

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あ、そうそう、

液晶モニタをバラすときは必ず、アルミテープを用意しましょう。

これ、最近の液晶を何枚もばらしてるとだんだんわかってくる、「鉄則」です。

バラす過程で必ず少しのアルミテープを剥がすことになって、それを再利用しないで貼り直すためだけでなく。
液晶モニタ強度(剛性)に大きく関わってきます。
アームとかでマウントする人は特に重要ですね。

今回もそうなんですけど、PC用の安い液晶モニタって、
前面シェル(フロントベゼル)、液晶パネル、コントローラボードのフレーム、背面シェル の簡単な4点構成でできていて、
だいたい前後のシェル(プラスチック)はツメでとまってるだけです。
たまにネジ2本とか止めてあったりしますけど。

じゃあシェルはタダのガワだから、内側のフレームがしっかりしてるかというと、全然そうでもないです。
今回のも、パネルの下の方のネジ穴(M3)に横から2本だけネジが刺さってました。
上の方はフリーです。

だいたい安い液晶ってそんなもんで、パネルのうえのほうはアルミテープがぺたっと貼ってあるだけだったりしますし、
最近のBenQの安い液晶なんて、シェルにもフレームにも一切ネジが刺さっておらず、
一度ツメをこじあけてシェルを開いたらコントローラーボードが落ちてきたことがありました。
しかも中のアルミテープは、初分解なのにくっしゃくしゃになってたし。
つまり出荷時からそのまんま。組立が雑すぎる。

ただでさえツメを割ったりしながら分解してる上に、ものによっては(今回のは違いますが)
VESAのマウントが背面シェル側にくっついてたりするもんですから、
アームで釣ってる状態で、地震か何かで中身が動いた拍子に弱ったツメがスッポ抜けてパネルが降ってきたりしたら大変です。
再組み立て時には元と同じかそれ以上の強度を持たせるために、
フレームとパネルの大部分をアルミテープで固定しましょう。

以上、どうしても力説したかった部分おわり。

まあ、自分専用だしスタンドで使ってるだけ ってのならいいですけどね、別に。

あとはバラしたままの状態で

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ノーシグナルがちゃんと出ることを確認してシェルをはめて、

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1920×1080で入力してしっかり表示することを確認したら完成。
格安でまた一台、フルHDのモニタをゲットだぜ!

ついでに、ベゼルの傷をKUREのLOOXで磨いて消して、
パネル表面をプレクサスで磨いておきました。
両方ともおもいっきりカー用品ですが、プレクサスって液晶に使ってもいいんですよ。しってました?
ノングレアだとムラになりますけどね。まあそこは拭き方で工夫しましょう。

おまけ。

デキる男は念のため電源基板も見ておく。

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今のところ問題はない、が、
EliteやLeonのキャパシタが刺さってる。絶対そのうち逝くので覚悟しておこう。

そしてせっかくONKYO印なのでコントローラーボードのアンプ周辺回路

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アンプの石はAPA2071、キャパシタはJH。
正直あんまりこだわりが感じられない。普通の液晶のコントローラボードそのまんまだ。
左奥のコネクタから伸びてるのがスピーカーケーブル。

唯一、HDMIからも音声入力拾えるのが便利なぐらいかな。

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コメント

  1. 匿名 より:

    なるほど〜。そうだよね〜。
    いちいち感心しながら拝見しました。
    参考になりました。ありがとうございます。

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